記 録 |
燧ケ岳登山は素人の私達夫婦の為に計画段階から断念し2日間の日程で約15km尾瀬を散策するというコース設定で配慮いただいた。この頃は私自身が百名山を目指そうとも思っていなかったし、叔父の勧めに乗り、有名で私達夫婦にとっても初めての尾瀬というものがどんなものなのかを体験できるということが動機だった。… が … 実に感動の連続で山に大ハマリとなっていく素晴らしい体験となった。
初日、まだ真っ暗の午前4時過ぎに叔父が迎えに来てくれ寺島さん宅に寄り4人でいざスタート。甲子トンネルはまだ開通していないので羽鳥湖を抜けて檜枝岐を目指す。途中の会津の山々も大きく感じた。8時半頃御池に到着する。9時発の専用バスはほぼ満員。何日か前にバスが道路から転落した事故があったばかり。急カーブを何回も過ぎて沼山峠に着く。やや小雨が降り出した。特別保護区である説明を聞き、初めての木道を進む。どこまでも続く木道。よく整備したものだと感心する。黙々と歩くものと思っていたが、叔父と寺島さんは頻繁に足を停め植物の説明をして下さる。感心して聞き入るが10mも進むとまた別の植物の説明。その瞬間に前の説明の名前を忘れていく。ただカメラだけを頼りにバチバチ撮って安堵。
間もなく沼山展望台に着く。初めて眺める尾瀬沼。静か過ぎる。木道は2列あり右側を歩いて行く。足を進めるごとに別世界に感じてくるのだった。急に展望が広がる。霧雨の大江湿原に入る。池塘(チトウ)・ワタスゲの花。尾瀬沼を半周し沼尻平で昼食。尾瀬ケ原の見晴の弥平治小屋を目指しアップダウンが続く原生林を進む。巨大な水芭蕉。木々や植物が瑞々しい。いっぱいいっぱい説明を聞いた。(次回はボイスレコーダーが必要!)
程よい足の疲れを感じた頃に宿泊予定の弥平治小屋に着く。見晴の山小屋は数件隣接しておりいずれも古いが整備されていた。叔父の娘が1ケ月間その中の山小屋でアルバイトをしていた話を初めて聞く。
荷物を置きカメラ1つで尾瀬ケ原を歩く。西に至仏山・東に燧ケ岳がどっしりと坐る。東西約6kmの尾瀬ケ原は雄大で別世界だった。この時、是非とも燧ケ岳・至仏山に登ってみたいと思った。
平日ということもあり山小屋は比較的空いていて、私達夫婦は4.5畳位の個室に泊まることができた。廊下に置いてあった尾瀬の本や写真集を見ながら夜を過ごした。
深夜雨の音が強くなったが3時過ぎに起きると止んでおり、薄暗いが窓からは至仏山が徐々に見えてきて、眠気も覚め刻々変化する尾瀬ケ原の夜明けを楽しんだ。
2日目は温泉小屋を通り三条の滝・上田代そして御池に戻る原生林を抜けるコースだった。
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